7.3 知的検索

意味相互互換性に非常に関係の深いものに知的検索の 領域がある。前に述べた様に、意味相互互換技法は、或るシステム固有の問い合わせを他の異なるシステムと連携する為の問い合わせにマップする事を可能にす る。この場合、普遍的な問い合わせ言語へ変換するシステムの必要性を無くし、そして、現在のデータ形式を使い続ける事を可能にする。データソースの上を仮 想的な層で覆う事により、問い合わせを普遍的な方法で定義でき、マップ先の総ての資産にアクセスする事が可能となる。この様に連携した検索は、より意味的 に正確な検索が可能になることで、より賢い検索と成り得る。すなわち、検索機能に概念を包含する様に拡張でき、そして、特定のキーワードのみ含む場合より も検索範囲を絞る事ができる。この様な検索の深さ、若しくは、木目の細かさは、利用者の欲する検索を可能ならしめる。

 

知的検索の他の側面は、情報の識別と関連性とを利用 する事によって、人の検索に関して、より関係を意識した検索を可能に出来る事である。人々の間及び人々に付いての情報間の関係性は、より高度な適切性及び 信頼性を判断する鍵となる。知識管理システムにお金を投じているにも拘らず、多くの人々は、エキスパートを探したり或いは信頼性の高い情報を見つけたりす るのに、友達、身近な人、同僚等の人のネットワークに依存している。個人間の関係性は、販売活動や多くの組織間の相互連携を行う場合にも有用である。社会 ネットワーク及びソフトウェアは、この種の広域利用を可能にするものである。

 

この様な情報が大規模にどの様に用いられるかの事例 が、ある電話会社に於いて見られる。この電話会社はより知的な電話番号検索サービスを提供する為の技術として研究している。そこでは、その電話会社は、一 般的な名前の表を提供する代わりとして、より知的な一致サービスを提供する為に、人と検索対象の人に関係する可能性のある名前の表とから成る混合情報の検 索を行っている。例えば、社会ネットワークの関係性の推論は、(FOAF(friend of a friend)をよく調べる事により)或る人が他の或る人を知っているか、又は、知ってい ることを期待できるか否かの情報を明らかにできる。位置や学校の出席状況や元の職業や現在の職業といった他の情報は、一致を推論するのに利用する事ができ る。確かに、多くの人が信じている様に個人情報に関する重大な問題を内在させているが、しかし、個人識別可能な情報のハッシングや暗号化の技術と漸進的な告示技術とにより多くの 個人情報に関する懸念を解決できるであろう。

 

知的検索を可能にするセマンティックアプローチは、 知識管理システムへと進むべき道を見つけ始めている。現在の知識管理システムは、彼らの領域内にのみ止まり、組織境界を横断する事は難しい傾向にあるが、 知的検索技法を既存の情報基盤に覆いを掛ける形で付け加えることにより、物理的なデータ形式、知識領域及び組織構造の違いを橋渡しする事ができる。

 

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