7.1
セマンティックWebサービス
Webサービスとは、ネットワークを介してマシンツーマシ
ン相互連携の相互互換を実現する為に設計された一つのソフトウェアシステムである。Webサービスは、Webサービス記述言語(WSDL)を用いて機械処理可能な形式で記述されたインター
フェースを有する。WSDL、UDDI及びSOAPの組合せは、マーケット全体をサービス指向アーキテ
クチャ(SOA)に向ってシフトさせる為の記述の三つ組み(triad)を形作っている。これ等の技術は、一体となって、HTTP又はSMTPネットワーク上でディレクトリ、コンポーネント検索
及びサービス交換プロトコルを実現する。
マイクロソフト、IBM及び他の大手ソフトウェアベンダは、Webサービスのモデルの根底をなす概念と言語とを採用
し、更に、サービス指向アーキテクチャを採用する事の利益を解説する書籍や業界記事が増えている。しかし、Webサービスに欠点が無い訳ではない。セキュリティ問題
は、長い間懸念されていたが、これ等の問題に対処する為の幾つかのソリューションは、ここ数年の間に導入されたばかりである。多分、Webサービスに関して、最も重要な改善すべき領域は、(a)柔軟な検索機能や発見機能と(b)情報管理機能やスキーマ変換機能とに関するものであ
る。基本的に、Webサービス技術とは、疎結合方式でメッセージを操作するもので
あり、記述用語の違いをブリッジするものではなく、また、送信されて来たメッセージを受信者が個別に理解する事を可能にするものでも無い。Webサービスでは、その交換に関する部分は、利用者の
コードソリューションに依存、及び/又は、大きなコミュニティの中のある種の文書交換標
準の合意に依存している。(後者の目的が達成されたケースは、稀である)
柔軟な発見機能やサービス開始機能の実現の難しさ(更には、Webサービスでの情報交換機能のシームレスな運用)は、W3Cにセマンティック技術を取り込んだセマンティックWebサービスイニシアティブを作る事を余儀なくさせた。
セマンティックWebサービスは、OWL-S(Web Ontology Language
Service
specification)により強化されたWebサービスであり、Webサービスに於けるサービス開始やサービス記述を行う
為の柔軟なフレームワークを実現できる。OWL-Sは、WebサービスプロバイダがWebサービスの特徴や機能を明白、且つ、コンピュータ理
解可能な形式で記述する為のコアのマークアップ言語である。WebサービスをOWL-Sによりマークアップする事は、Webサービスの発見や実行や相互操作や合成や実行監視の
自動化などのWebサービスの自動実行を可能にする。次節以降、マーク
アップ言語に於ける階層アプローチに付いて説明する。現在のOWL-Sは、W3C標準であるOWLの上に構築されたものである。