6.0 セマンティックツールとコンポーネント
セマンティックWebのツールは日々良くな
り、新しい会社が参入し始め、大会社は動き始めている。
技術のライフサイクルや成熟の段階を表すモデルが幾
つか存在する。一般に、これらのモデルは、参入(または定義)、成長(または検証)、成熟(または改善)、衰退(または合併)の4段階を有する。大方の尺度では、セマンティックWebは、公開されているものを見る限りでは、未だ参入/定義フェーズにある。しかし、セマンティック技術の
幾つかは成長/検証フェーズに入っていると言える。(成熟過程におけるフェーズの移行点は大体分かり難
く、その転換点は変革の後で分かるものである。また、時には、疑いや不適切な期待により見逃してしまうものである。)
政府や私企業に於いて新技術を採用する先駆者は、新
たな道を切り開き、彼らのセマンティック実装プロジェクトから成果を得ている。既に、多くの政府部門でセマンティック研究プロジェクトを実施している。セ
マンティック製品は、Adobe、Hewlett Packard及びIBMなどの有名な大企業から提供されると共に、Unicorn、Network Inference及びSemagixの様な小さいが先駆的な企業からも提供されている。
加えて、数多くのオープンソースや誰でも使えるツールが公的或は私的研究所や組織などにより開発されている。
以下の章では、セマンティック技術を活用したアプリ
ケーションを作るのに利用できる商用ツール若しくはオープンソースツールとしてどの様なものがあるのか調べた結果を記述する。これ等のツールを理解するに
は、それらが設計時のツールか実行時のツールか見分ける事が必要である。設計時ツールは、文書の著者、システム設計者及びその他のもの作りや設計や監査を
する人達により使われるツールである。例えば、メタデータ作成ツールやオントロジの作成ツールやオントロジ移植ツールなどが含まれる。実行時ツールは、問
い合わせ処理、データ変換又は処理結果生成に用いられるソフトウェアコンポーネントである。例えば、仲介サーバや推論エンジンなどが含まれる。多くのツー
ルは、実装過程で一纏めにして利用される。例えば、事業連携の設計時に用いられるモデリングツールやマッピングツール、実行時の問い合わせ機能や仲介サー
バなどをワンセットで利用する。