4.1
より豊富なデータ、より柔軟な関係付け及び進化可能なスキーマ
セマンティック技術は、データベーススキーマやデー
タ辞書や統制語とはある重要な点で異なる。それは、異なる概念領域が一つのネットワークとして一緒に働くように、関連性を持って設計されている事である。
図5に示された地下鉄の地図は、どのようにして、各概念
が結ばれているか、あるいは、関係又は関係しない概念と構成されているかを示す正当なセマンティックWebダイアグラムの一つである。
(From
Berners-Lee, ISWC, 2003)
基礎概念がこのダイアグラムの中の線として示されて
おり、人や価格や時刻や場所の様なデータを特別な形式でそれぞれを識別できる。これ等の基礎概念の交点は、意味の高位レベルの何らかの実体を形成する。例
えば、アドレスブックの概念は、人と住所(及び連絡先)との組合せであり、カタログの概念は、部品と価格と
の集合である。
本質的に単純だが、このダイアグラムは、データがよ
り豊富になった時、例えば、日付または位置が追加された場合、特別な形式又はデータの表現より遥にうまくそれらを関係付ける事が出来る事を示している。言
い換えると、例として、1863年のゲティスバーグの地図をサーチするのに用いる
と、もしも、地図を構成するデータがより”リッチャー”(あるデータが日付としてタグ付けられ、あるいは、識
別されている事を意味する)なら、知的サーチ機能は、柔軟な日付表現を用いて検
索を行うことができる。 例えば、色々な日付(例えば、1863年7月、1863年、1860年代)更には、色々な概念(“ゲティスバーグの戦い”または”南北戦争”で示される期間、それぞれ、1863年の7月1日から3日及び1861年4月から1865年4月を示す)が考えられる。
同様に、バージニア州McLeanでのアンチスパムメールのセミナーの例の場合、場所
の概念が、より柔軟な境界領域(ワシントンDC地域)、隣接都市、郵便番号、公園、記念碑及びその他の横
断的概念領域の場所情報と関係付けられているならば、セマンティックアプローチを用いているインテリジェント検索は、構文、構造、表現又は文脈の違いをブ
リッジする柔軟な構成モデルに従ってデータの型(日付または場所の様な)を認識できる。
“非集中で結合可能”(更に、”進化可能な”を付け加えるかも知れないが)なアイデアは、セマンティックWebのビジョンの根幹を成すものである。