報道発表文
日本で初めてのセマンティックWeb用オントロジ生成ソフトウェア
「オントロジジェネレータ」の発売について
2006年11月21日
株式会社サイバーエッヂ
株式会社サイバーエッヂ(社長:清水昇、本社:東京都港区)はこのたび、セマンティックWeb技術をより利用しやすくする為、世界標準のオントロジ言語であるOWLに準拠したオントロジを簡単に生成することが可能な日本で初めてのセマンティックWeb用オントロジ生成ツールである「オントロジジェネレータ」を開発し、販売とOEM提供とを開始します。
製品名 |
発売日 |
価格(税込み) |
オントロジジェネレータ |
11月1日 |
2,625,000円/ユーザ |
本製品であるオントロジジェネレータは、OntologyGeneratorとその補助ソフトであるDataCheckAndMakerとの二つのコンポーネントから構成されています。
本製品を用いることにより、Excelなどの表計算ソフトや関係データベースソフトがデータを保存するときに使うCSVファイルのデータからOWL言語で記述されたオントロジを生成できるので、これまで電子データにする事が難しかった人間の頭の中の知識や経験の多くをオントロジとして電子データに写し変えたり、法令文書のような平文のデータをオントロジとして構造化されたデータに移し変えたり、既存のデータベースの内容を知識ベースであるオントロジに簡単に移行したりする事が可能となります。
(注)
セマンティックWeb : セマンティックWebは既存のウェブの拡張であり、情報にはきれいに定義された意味が付与され、情報の意味統合や自動処理がより容易になります。
オントロジ : ものごと及びものごと間の関係性の記述であり、知識や経験の多くはオントロジとして記述できます。
RDF : Resource Description Frameworkの略称であり、W3Cが制定したメタデータ記述の為の標準言語です。
RDFS : RDF Schemaの略称であり、RDFの拡張に用いられます。
OWL : Web Ontology Languageの略称であり、RDFをオントロジ用に拡張してW3Cが制定したオントロジ用標準言語です。
Excel : Microsoft社の表計算ソフトです。
CSV : Comma Separated Valuesの略称であり、表計算ソフトやデータベースソフトがデータを保存するときに用いるファイルです。
■製品開発の背景
セマンティックWebとは、国際的なWeb技術標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が中心となって標準化を進めている、次世代Webのフレームワークのことです。セマンティックWebではWeb上の様々なコンテンツにメタデータ(データのためのデータ)を付与し、メタデータ間の関係をオントロジと呼ばれる規則によって定義することで、それらのメタデータやオントロジに基づいてWebコンテンツをエージェントソフトウェアにより自動処理することを目標としています。この目標へ向けて、Webコンテンツにメタデータを付与するためのツールや、オントロジを構築するためのツール、メタデータやオントロジを蓄積したり検索したりするためのツール、さらにこれらのツールを開発するためのツールキットなど、セマンティックWeb関連の様々なツールや応用アプリケーションが世界各国で開発されてきています。
このうち、既存のセマンティックWeb関連ツールキットとしては、国内では株式会社サイバーエッヂの「Semantic Web エンジン」や国外では米ヒューレットパッカードの研究所の「Jena」や米スタンフォード大学の「Protégé」などがありますが、これらは既に出来上がっているオントロジを処理することを主な狙いとしているために、これらのツールを用いて大規模なオントロジを構築したり、既存の関係データベースの情報をオントロジに移行させたりするのが容易でないという課題がありました。このため、株式会社サイバーエッヂでは、効率良く大量かつ高度なオントロジを作成可能とし、そして、既存の関係データベースに蓄積されている情報をオントロジに簡単に移行することを可能とするオントロジ生成ツールである「オントロジジェネレータ」を開発することとしました。
セマンティックWebの基盤となる技術仕様として、メタデータ記述フレームワークであるRDF(Resource Description Framework)と、オントロジ記述言語であるOWL(Web Ontology Language)とがあります。RDFやOWLの仕様書は膨大であるため、これらを完全に理解して、仕様に準拠したメタデータやオントロジデータを作成することは容易ではなく、セマンティックWebの利用の隘路となっています。RDF/OWLの構文の詳細な知識がなくても、Excel等の表計算ソフトでオントロジの基となる情報を作成し、その表計算ソフトで作成したデータを本製品である「オントロジジェネレータ」に入力するだけでオントロジデータを生成します。本製品は、大規模かつ高度なオントロジの作成を容易にすることで、セマンティックWebの利用を簡単することを狙いとしています。
■主な特徴
1.表計算ソフトを利用して大規模かつ高度なオントロジを生成することができます。
Excel等の表計算ソフトを用いて、次の6種類の構造のいずれかを有するオントロジの基となるデータを定義し、それを本製品に入力することで大規模かつ高度なオントロジを簡単に作る事ができます。
1)木構造
2)表構造
3)網目構造
4)SPO構造(主語(subject)、述語(predicate)、目的語(object)の三つの要素で定義)
5)木構造と表構造との混合構造
6)木構造と網目構造との混合構造
2.既存の関係データベースの中に格納されている情報をオントロジに移行させることができる。
世の中で広く用いられている関係データベースの情報を、CSVファイルを介して本製品に入力することで簡単にオントロジにすることができます。関係データベースの情報をオントロジにすることで関係データベースシステムの中では実現が難しかった情報の意味検索や情報間の意味相互互換などを実現することが容易になります。また、大量に存在する関係データベースの情報をオントロジに移行させることで大量のオントロジを簡単に作成することが容易になります。
3. CSVファイルのデータをオントロジにすることができます。
テキストファイルでデータをカンマで区切ったCSVファイルは、扱いが容易で汎用性が高いファイル形式です。この為、CSVファイルのデータはテキストエディタ等で簡単に作成することができます。本製品であるオントロジジェネレータは作成が容易で汎用性の高いCSVファイルのデータに基づいてオントロジを生成することができます。CSVファイルは多くのソフトウェアでサポートされているのでExcel等の表計算ソフトや関係データベースで作成することができ、また、利用者アプリケーションソフトでも容易に作成することができます。
4. 複合概念や条件付概念等の高度なオントロジを簡単に作成することができます。
弊社が開発した論理式に似た概念記法(S記述と言います)を用いることによりOWLで記述可能な複合概念の記述(“A及びB又はC”の様な記述)や条件付概念の記述(「赤い色を持つもの」の様な記述)を分かり易く定義することができます。これにより法令やガイドラインの様な電子的な意味記述が難しかった情報を記述し、蓄積し、再利用する事が可能となります。
5.日本語処理ができます。
日本語データの処理を設計段階から想定しているので海外の類似のソフトウェアとは異なり日本語を含むオントロジデータやメタデータを作成したり処理したりすることができます。
6.オントロジ記述に用いるクラスやプロパティのスキーマ定義を行うことができます。
利用者の目的にかなったオントロジを作成するためには、通常、利用目的に則したグループ分けのためのクラス語彙や関係記述のためのプロパティ語彙など新たなオントロジ記述用の語彙を追加することが必要になります。新たな語彙を追加する場合、それらの語彙のスキーマを定義する機能を本製品であるオントロジジェネレータは提供しています。
■製品の概要
本製品(オントロジジェネレータ)の全体概要図は次の通りです。
上記の全体概要図のように、本製品であるオントロジジェネレータは2つのコンポーネントソフトから構成されています。各コンポーネントソフトは次の機能を持っています。
コンポーネントソフト名 |
機能概要 |
DataCheckAndMaker |
OntologyGeneratorの補助ソフトであり、Ontology Generatorの入力となるCSVファイル内のオントロジ記述記号の誤った使い方やセル内の改行等を検査し、誤った使い方を検知した場合、利用者に警告メッセージを表示し、Ontology Generatorへの入力データの最適化を行います。 |
OntologyGenerator |
利用者の指示に従って、入力ファイルであるCSVファイルのデータをOWL言語で記述されたオントロジを生成します。 |
■Semantic Webエンジンとの関係
弊社の製品であるSemantic Webエンジンと本製品との関係は次の図のようになります。
上の図で示すように、本製品により生成したオントロジデータは、Semantic Webエンジンにより処理することができ、Semantic Webエンジンでは、オントロジデータを知識ベースとして蓄積、維持、管理および拡張することができ、また、ビューワによりオントロジデータの意味を分かり易く表示することができます。
■利用環境
ハードウェア
CPU |
インテルCeleronプロセッサ2GHz(あるいは同互換プロセッサ)以上 |
メモリ |
256 MB 以上の空きメモリ |
ハードディスク |
30 GB 以上の空きハードディスク容量 |
ソフトウェア
対応OS |
Windows XP以降 |
JREもしくは、JDK |
・JRE 5.0以降もしくは、JDK 5.0以降 |
■オントロジジェネレータの利用例
1.DataCheckAndMakerの画面
2.OntologyGeneratorの実行画面
■問い合せ先
〒108-0014 東京都港区三田二丁目10−5
株式会社 サイバーエッヂ 足立
TEL: 03-3452-1233
FAX: 03-3452-1233
eメール: adachi@ns.cyberedge.co.jp
URL: http://www.cyberedge.co.jp/index.html
■株式会社サイバーエッヂについて
株式会社サイバーエッヂは2000年7月に設立された東京港区のITベンチャーの会社です。弊社は最先端の情報通信技術をビジネスのコアとしています。特に、セマンティックWeb技術とオントロジ技術においては国内のリーディングカンパニーです。国内唯一のセマンティックWeb基盤ソフトのサプライヤーでもあります。セマンティックWeb技術とオントロジ技術とに関しては、関連するソフトウェアの研究、開発ならびに販売を行うとともに、コンサルティングやソリューション提供や教育サービスなども行っております。
[所在地] : 東京都港区三田二丁目10-5
[代表者] : 代表取締役社長 清水 昇
[URL] :