6.4 マッピングツール(オントロジの移植)

一度或るオントロジモデルを作ると、データ(“オントロジ用語で言うクラスインスタンス)をその中に組み込む事が必要となる。この様なデータを組み込む処理は、通常マッピングツールを用いて色々なデータソースを或るオントロジの中の特定の概念にリンクする事で達成される。マップを作成すると、一つのデータソースの中の或る問い合わせは、それをそのオントロジにマップする事により形式変換され、そして、そのオントロジから他のデータソースにそのデータソース用のマップを用いて形式変換する事が可能となる。従って、その問い合わせの通信データを、他のデータソースに付いて知る事や配慮するデータを持つ事を必要とせずに同様の方法で返す事ができる。すなわち、各データソースは、色々なソースやターゲット間で中心となる支配的な一つのオントロジに対する独自のマップを持つ。この種の抽象階層を提供する事は、オントロジ作成やデータマップの作成の作業の部分に多少骨の折れる作業を必要とする。しかし、これは、一度実施すれば、各データソースは間違いなく他のデータソースとの実行時の相互互換を実現できる。また、新たなデータソースが組み込まれた場合でも、大部分のケースでは、既にあるデータソースへの影響が全く無いか、影響を少なくする事ができる。

 

この様な方式は、現在の企業アプリケーションのアプローチとして通常採用されているデータ値のマッピングや意味矛盾の解決処理の数を劇的に減少させる。そのアプローチとは、これまで一般にnの二乗個のマッピング(各データソースから総てのデータソースへのマッピングの数)を必要とするか、そうでなければ、硬直し、柔軟性が無い明示的な標準にエキスポートするアプローチを採用しなければならない。このモデリング及びマッピング方式は、政治的意図を排し、より柔軟にし、且つ、色々な機能を付加し易くする。例えば、ある一つのデータソースに特化された特異なものを、ほぼ透過的に扱う事が可能であるが、その様な特異なものを典型的な標準処理で取り扱おうとすると大変な時間とエネルギーとを必要とする。構造化データを処理するのに用いられる多くのツールは、データベースのフィールドからオントロジへのマッピング処理を自動的に行なう機能を持っている。Network InferenceUnicornとはこの種のツールを提供しているベンダである。収集し、正規化し、そして、非構造データをオントロジへとマップするツールは、WordRTF、テキストファイル及びHTML等色々な非構造データを通常処理可能である。Semagixは非構造データに対するツールのリーディングベンダである。

 

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