インターネットスマートマネージャ


目次

1.インターネットスマートマネージャ
1.1 ISMの概要
1.2 ISMの特徴
1.3 ISMの製品利用例
1.4 ISMの機能
1.4.1 プロキシー機能
1.4.2 HTTPサーバ機能
1.4.3 クライアント利用制限機能
1.4.4 サイト複写機能
1.4.5 フィルタリング機能
1.4.6 プライバシー保護機能
1.4.7 ジャンクメッセージ排除機能
1.4.8 ロギング機能
1.4.9 マルチスレッド機能
1.5 ISMの設定
1.5.1 画面メニューからの設定
1.5.2 ISM.INIの設定
1.6 ISMのFAQ
付録
付録A.用語集

1.スマートシリーズ全体について


1.1 はじめに

スマートシリーズはインターネットの利用環境をスマートにするツールです。
インターネットが普及した現在では、Webページ(HTMLなど)で発信される情報は膨大になっており、この中には有害情報を含んでいたり、プライバシー情報の流出の懸念、通信料の増加、ネットアクセスのために人がパソコンによって時間的に束縛されるといった問題点があります。
スマートシリーズはこのような問題点を解決すること、および収集した情報を上手に利用することを目的として開発されました。


1.2 特徴

インターネットの利用環境を改善し、快適に利用するようにできるスマートシリーズには、以下のような特徴があります。


1.3 機能

スマートシリーズは、次の3つの機能から構成されます。

ISMは、プロキシーの機能があり、WebブラウザやWARがISMを介してアクセスしたインターネットのWebページや画像、音楽などの情報を、パソコンにファイルとしてサイトの情報を複写する機能があります。また、この複写した情報を例えばインターネットを介さずに複数の利用者に閲覧させることができるHTTPサーバ機能があります。さらに、不要な情報を排除するジャンクメッセージ排除機能マルチスレッド機能によりインターネットのアクセスを高速化したり、有害情報をフィルタリングする機能、あるいは、プライバシー情報の流出を防止するためのプライバシー保護機能なども持っています。ISMのセキュリティとしてはクライアント利用制限機能により、限定した利用者(マシン)のみからの利用を許す設定もできます。管理者向けとしてはロギング機能により、ISMの管理を手助けします。その他、詳しくはインターネットスマートマネージャの章を参照してください。

WARは、主に2つの機能があります。一つめは自動アクセス機能です。これは、Webブラウザを使わずにインターネット上のWebページや画像、音楽などの必要な情報だけを自動的に収集する機能です。ISMを介してインターネットを自動的に巡回することにより、例えば通信料が安い時間帯やWebアクセスが少ない時間帯を利用して、利用者が設定したコマンドファイルに従って、必要な情報を取得します。取得した情報はISMによってパソコンにファイルとしてキャッシュされます。もう一つの機能はWebページの改版を自動で確認できる改ざんチェック機能です。これらの機能について、詳しくはWebアクセスロボットの章を参照してください。

WPMは、ISMによってキャッシュされたファイルからWebブラウザを利用してプレゼンテーションができるようにHTMLのハイパーリンクを自動調整する機能(リンク調整機能)があります。キャッシュされたファイルのままでは、ハイパーリンクや画像のリンクなどが元のWebサイトのURLを指しているため、キャッシュの内容をオリジナルと同じようにWebブラウザに表示できないことがあります。WPMはこのリンクなどを自動調整する機能です。詳しくはWebプレゼンテーションメーカーの章を参照してください。


1.4 アーキテクチャ

smart

インターネットスマートマネージャ(ISM)はプロキシーサーバの一種です。WebブラウザやWebアクセスロボット(WAR)からプロキシーとしてアクセスし、ISMからは設定された場合は上位プロキシーを、設定されてない場合は直接、インターネットにアクセスします。プロキシー機能HTTPサーバ機能クライアント利用制限機能サイト複写機能フィルタリング機能プライバシー保護機能ジャンクメッセージ排除機能ロギング機能マルチスレッド機能などは、ISM.INIファイルの設定内容、または一部は画面メニューからの設定によって処理されます。

WARは、コマンドファイルを使って指示を与えられることにより、ISMを介してWebページ(HTMLファイル)を自動的に取得し、その中に含まれるリンク情報を辿って画像や次のWebページなどの情報を更に自動的に、また次々に取得するロボットです。この自動アクセス機能や、改ざんチェック機能は、コマンドファイルWAR.INIファイルの設定内容、または一部は画面メニューからの設定によって処理されます。

WPMはISMがキャッシュしたファイル(HTML)を読み込み、このHTMLファイルの中のハイパーリンク(例えば<a href="〜">など)をローカル参照に変更することにより、ローカルのプレゼンテーション用ファイルを作成し、Webブラウザを使ったプレゼンテーションが可能なようにします。このリンク調整機能は、WPM.INIファイルの設定内容、画面メニューからの設定によって処理されます。


1.5 製品利用例

ISMWARWPMのそれぞれの製品利用例を参照してください。


1.6 インストール、アンインストール

レジストリを使いませんので、インストールも、アンインストールも、非常に簡単です。スマートシリーズをインストールする場合は以下の全てのファイルを同じフォルダに置いて実行するだけです。アンインストールするにはインストールしたディレクトリを削除するだけです。
インストール後、設定する場合は、以下の実行ファイルをダブルクリックなどで実行すると、設定ファイルが必要な場合は自動的に規定値を持った設定ファイルを作成します。表示された画面のメニューを選択して設定するか、設定についての説明(ヘルプ)を参照しながらエディタなどでこの値を正しく設定してください。

InternetSmartManager.exe(ISM本体)を実行するとISM.INIというISMの設定ファイルが作成されます。作成されたISM.INIファイルには規定値が設定されていますが、キャッシュのフォルダや上位プロキシーの設定を正しく行う必要があります。ISM.INIファイルについては、ISM.INIの設定を参照してください。

WebAccessRobot.exe(WAR)を実行するとWAR.INIというWARの設定ファイルが作成されます。作成されたWAR.INIファイル「commandfile=」ステートメントには規定値では「robotcommand.txt」が設定されています。特に変更しない場合は、WARのメニューからアクセス条件の指定などを行って、コマンドファイルを作成してください。WAR.INIファイルについてはWAR.INIの設定を参照してください。

WebPresentationMaker.exe(WPM)を実行するとWPM.INIというWPMの設定ファイルが作成されます。作成されたWPM.INIファイルには規定値が設定されていますが、キャッシュのフォルダの設定を正しく行う必要があります。WPM.INIファイルについてはWPM.INIの設定を参照してください。


1.7 稼働環境

スマートシリーズ(ISM,WAR,WPM)は以下の環境で動作します。なお、この環境をもつすべてのパソコンでの動作を保証するものではありません。このシステム構成以外のパソコンで動作することもあります。

利用推奨システム
PCDOS/VまたはPC98-NXシリーズ
CPUPentium プロセッサー(あるいは同互換プロセッサー)以上
OSWindows95, 98, NT, 2000, Me
RAM64 MB 以上の空きメモリ
HD80 MB 以上の空きハードディスク容量
インターネット接続ダイアルアップ接続(モデム接続)、または、専用線接続(LAN接続)のインターネットアクセス環境
WebブラウザMicrosoft Internet Explorer 4.0以上もしくはNetscape Navigator4.0以上

また、以下のソフトウェアがインストールされている必要があります。

●Microsoft Internet Explorer 4.0以降
スマートシリーズは、ウインドウの制御に、新しいコモンコントロール[Comctl32.dllのバージョン4.71以降]を用いています。新しいコモンコントロール[Comctl32.dllのバージョン4.71]はInternet Explorer 4.0のリリースとともに、マイクロソフト社より出荷されました。従って、スマートシリーズを実行するためには、"Internet Explorer 4.0以降"が、インストールされていることが必須です。Internet Explorerのバージョンは、Internet Explorerを起動して、メニュー項目の中のバージョン情報を見れば知ることができます。
(注)最近、買ったPCであれば、Internet Explorer のバージョンが4.0より古いということはまずありません。新しいバージョンのInternet Explorerはマイクロソフト社のWebページ(http://www.microsoft.com/japan/)からダウンロードし、インストールしてください。
●Microsoft HTML Help ランタイムコンポーネント
スマートシリーズは、ヘルプシステムに HTML Help を用いています。
Windows 95においてスマートシリーズのヘルプを表示するためには、HTML Helpランタイムコンポーネントがインストールされている必要があります。HTML Helpランタイムコンポーネントは、Hhupd.exeを実行することにより自動でインストールされます。Hhupd.exeは「http://msdn.microsoft.com/library/tools/htmlhelp/wkshp/download.htm」Webページからリンクを辿り、「http://msdn.microsoft.com/library/tools/htmlhelp/wkshp/hhupd.exeをダウンロードしてください。
また、HTML Helpランタイムコンポーネントがインストールされていても、ヘルプが正しく表示されない場合は、上記のサイトから最新のHTML Helpランタイムコンポーネントをダウンロードし、インストールしてください。

1.インターネットスマートマネージャ


1.1 ISMの概要

インターネット・スマート・マネージャ(以下、ISMと記述する。)は、スマートシリーズの中核を成すプログラムであり、利用者のウェブアクセスを管理し、ウェブの効率的なアクセス、アクセスしたデータの保存、有害情報の排除、個人情報の漏洩防止、不要な情報の除去などによるアクセスの高速化を行い、利用者が安心して、効率的且つ経済的にウェブを利用することを可能にします。

smart

ISMはプロキシーサーバの一種です。ISMの主な動きとしては以下のようになります。

従って、例えば「http://www.kantei.go.jp」の配下に「http://www.kantei.go.jp/new/」があるとすれば、ローカルのキャッシュディレクトリも同じようにwww.kantei.go.jp\new\ディレクトリが作成されることになります。これによってWPMがハイパーリンクの変換を行うと、後からローカルのキャッシュだけでWebブラウザからの閲覧が可能となるわけです。

1.2 ISMの特徴

●ISMのインストールは、非常に簡単です。
レジストリを使いませんので、インストール、アンインストールも、非常に簡単です。
●ISMは、プロキシーサーバの一種です。
ブラウザのプロキシー設定を変更するだけで簡単に使えます。
●ISMは、ウェブサイトのデータをローカルに複写します。
ISMを経由して、アクセスされたウェブサイトのディレクトリ構造と、データとをローカルな記憶装置のなかに複写します。複写は、全て自動的に行われるので、特別な操作は必要ありません。ディレクトリ構造も一緒に複写するので分かり易い。記憶装置の容量が許す限り、複写できます。一度アクセスされたウェブページをほぼ完全に複写するので、オンラインでアクセスした後、オフラインで、じっくり、見ることができます。
(注)、CGI等一部のデータには、複写できないものがあります。
●世界標準であるPICSに準拠したフィルタリング機能を有しています。
W3Cが開発した有害情報排除のためのPICS準拠のラベルビューロのデータを用いて、フィルタリングを行えるため、特定のベンダーに拘束されることがありません。
●個人情報漏洩防止の機能があります。
個人情報漏洩防止のため、クッキーのサプレス、リファラーのサプレス等の機能を有しています。
●悪意プログラム・ウィルスプログラムの実行防止ができます。
データの拡張子を判別して、データをアクセスするか否か、指定できるので、悪意プログラムや、ウイルスプログラムを間違ってアクセスすることを防止できます。
ダウンロードし、実行すると、ダイヤルQ2や、国際電話を勝手にかけるプログラムや、トロイの木馬を含むようなプログラムを不用意にダウンロードすることを防止できます。
●効率良く、経済的なウェブアクセスができます。
ウェブページによっては、広告や、アクセス統計用の埋め込みデータ(インベデッドコンテンツ)などが、たくさん含まれている為、アクセスに、非常に時間の掛かるものがありますが、この様なウェブページであっても、効率的に、素早くアクセスできます。
企業内でISMのこの機能を用いれば、不必要なトラフィックを削減できます。

1.3 ISMの製品利用例

1) アクセスしたWebページを、後で、電話代やISPの接続料を気にせずに読むことができ、電話代やISPの接続料を節約できます。

2) 保存しておきたい、画像やHTMLデータなどを、自動的に保存してくれるので保存操作が不要となり、効率良くWebページのアクセスができます。また、データの保存をサイトのディレクトリ構造に合わせて行ってくれるので、分かり易い。

3) Webページを自分のコンピュータ上にほぼ完全に複写してくれるので、Webページを用いて、プレゼンテーション資料や、マルチメディアデータの交換を簡単に行うことができます。

4) LAN環境にある場合、本プログラムを他のコンピュータから使うことにより、Webページを遠隔地のコンピュータ上に簡単につくることができる。例えば、先生が生徒のコンピュータ上に授業で必要なWebページを設定できます。


1.4 ISMの機能


1.4.1 プロキシー機能

proxy
ISMは、プロキシーとして動作します。Webブラウザ、もしくは下位プロキシーにおいて、ISMをプロキシーとして設定すれば、ISMの全機能を使うことができます。また、ISMにおいても上位プロキシーの設定ができますので多段プロキシーを構成することができます。
なお、ISMをプロキシーとして利用するWebブラウザや下位プロキシーは、クライアント利用制限機能によって許された利用者(コンピュータ)のみが使える設定ができますので、セキュリティに配慮した設定をすることもできます。

上位プロキシーの設定方法

ISMから上位プロキシーがある場合、その上位プロキシーサーバのドメイン名やIPアドレスをISM.INIファイルの「ProxyDomainName=」ステートメントで、また、上位プロキシーサーバのポート番号を数字でISM.INIファイルの「ProxyServerPortNo=」ステートメントで指定します。ISMの画面メニューの「プロキシー設定」においても設定することができます。
ProxyDomainName=の指定例
ドメイン名指定の場合:ProxyDomainName=proxy.cyber.co.jp
IPアドレスで指定の場合:ProxyDomainName=210.145.10.99
なお、「ProxyDomainName=」ステートメントの設定を行った場合は「ProxySwitch=」ステートメントを「1」にする必要があります。
上位プロキシーのドメイン名が不明な場合は、例えば、ISMを設定する前に、Webブラウザの設定で上位プロキシーが指定されている場合には、その値を参考にしてください。WebブラウザがNetscapeの場合は[編集]→[設定]→[詳細]→[プロキシー]→[手動でプロキシーを設定する]→[表示]において、"HTTP"の「使用するプロキシーサーバのアドレス」、InternetExplorerの場合は[表示]→[インターネットオプション]→[接続]→[プロキシーサーバを使用してインターネットにアクセス]のチェックボックスを有効にし、[詳細]を選ぶと表示される設定画面における"HTTP"のプロキシーサーバアドレス設定、およびポート番号がこれらに相当します。

1.4.2 HTTPサーバ機能

http
ISMは、HTTPサーバとしての機能があります。利用者が作成したデータや、ISMがキャッシュしたデータなどをサイト複写機能で蓄積されたデータを複数の利用者間で共有するための機能です。
また、このHTTPサーバを利用する利用者は、クライアント利用制限機能によって許された利用者(コンピュータ)のみが使える設定ができますので、セキュリティに配慮した設定をすることもできます。。
例えば、学校の教室で、先生が予めアクセスしておいたデータを、授業中に生徒が参照する場合などに利用することができます。あるいは会社で、あるチームの機密情報を、チーム内の利用者(クライアント)のみが参照できるような情報共有ができます。この為、ISMのHTTPサーバ機能は、CGI機能などの機能を有せず、HTTPのアクセス要求をうけて、指定されたデータのみを返す簡易なものとなっています。
このHTTPサーバ機能は、ISM.INIファイルにおいて「HTTPServerSW=1」と「HttpHomeDir=」ステートメントにHTTPサーバホームディレクトリとを指定することにより、利用することができます。例えば、ISMを実行しているコンピュータのドメイン名が「porcaro.aaa.bbb.ac.jp」で、ホームディレクトリを「c:\cache」と指定した場合、「c:\cache」以下のファイルやディレクトリが、HTTPサーバをアクセスするクライアントのWebブラウザから見るときの「http://porcaro.aaa.bbb.ac.jp/」となります。従って「c:\cache\sample.html」をアクセスするときは、クライアントのWebブラウザからは「http://porcaro.aaa.bbb.ac.jp/sample.html」と指定します。

ISMのHTTPサーバをアクセスする方法:

ISMのHTTPサーバをアクセスするブラウザでは、ISMを実行しているコンピュータのドメイン名をサイト名とし、HTTPサーバのホームディレクトリ以下をそのサイトのディレクトリ名として指定します。

ISMのHTTPサーバをアクセスする場合のURLの形式:

http://サイト名/ディレクトリ名1/ディレクトリ名2/.../ファイル名
※サイト名はISMを実行しているコンピュータのドメイン名です。

ディレクトリのみが指定された場合の処理

ISMのHTTPサーバは、URLでファイル名が、指定されなかった場合、すなわち、URLが「http://サイト名/ディレクトリ名1/.../ディレクトリ名n/」の形式の場合、以下の順序で処理を行います。
  1. ディレクトリnの中に、ディレクトリ名n.htmlファイルが、存在するならば、そのファイルを応答として返します。
  2. ディレクトリnの中に、index.htmlファイルが、存在するならば、そのファイルを応答として返します。
  3. ディレクトリnの中のファイルとディレクトリとの一覧を作成し、それを応答として返します。 ただし、URLが「http://サイト名/」のようにサイト名のみを指定している場合、HTTPサーバホームディレクトリに対して、2.と3.の処理を行います。

1.4.3 クライアント利用制限機能

limit
ISMを利用できるWebブラウザや下位プロキシーの利用を制限することができます。つまり、許された利用者(コンピュータ)のみが使える設定ができますので、セキュリティに配慮した設定をすることができます。設定するには、ISMの設定ファイルであるISM.INIファイルの「allow from=」ステートメントと、「deny from=」ステートメントで設定することができます。
どちらのステートメントも指定されていない場合、localhost、あるいはIPアドレス127.0.0.1から(すなわち、ISMが動いているコンピュータ)の利用者みが、ISMを利用可能になります。 両ステートメント共に、ドメイン名または、IPアドレスで、*文字のワイルドカード指定ができます。
また、「Order=」ステートメントで設定の優先順位を指定することができます。例えば「Order=」、「deny from=」、「allow from=」といったステートメントを一セットで使った具体的な例としては、以下のようになります。
ISM.INIでの設定例説明
Order=deny,allow
deny from=all
allow from=*.ismart_example.co.jp
この例の場合、最初に「deny from=」ステートメントを評価(全てのクライアントからの接続を拒否)した上で、次に「allow from=」ステートメントを評価(ドメイン名「*.ismart_example.co.jp」を持つ利用者からのアクセスを許可)することになります。従って、この指定例によってISMを利用できるのはドメイン名が「ismart_example.co.jp」を持つ利用者のみがISMをプロキシーやWebサーバとして利用できることになります。

ISM.INIファイルのクライアント利用制限機能に関するステートメントの詳細について、以下に説明します。

・allow from=
ISMの利用者制限機能の一部であり、ISMをプロキシーやWebサーバとして利用できるクライアントを指定します。
指定は、ドメイン名(ismuser.ismart_example.co.jpなど)、IPアドレス(210.123.12.45など)または、allの何れかで行います。ドメイン名または、IPアドレスの指定を行う場合、部分マスク指定が可能です。
「allow from=」ステートメントが存在しない場合、localhost(ISMをインストールしたクライアントのみがISMを利用する)が指定されたものと見なします。
利用例allow from=ISMを利用できるクライアント
全指定の場合all全ての利用者がISMを利用できます。
ドメイン名指定の場合例(www.xxxx.yy.zzz)ドメイン名www.xxxx.yy.zzzを持つ利用者がISMを利用できます。
ドメイン名のマスク指定の場合例(*.xxxx.*.zzz)ドメイン名の第二階層にxxxxを持ち、かつ第四階層にzzzを持つ利用者がISMを利用できます。
IPアドレス指定の場合例(210.123.12.45)IPアドレス210.123.12.45の利用者がISMを利用できます。
IPアドレスのマスク指定の場合例(210.123.*)210.123.*で始まるIPアドレスの利用者がISMを利用できます。
・deny from=
ISMの利用者制限機能の一部であり、ISMをプロキシーやWebサーバとして利用できないクライアントを指定します。
指定は、ドメイン名(ismuser.ismart_example.co.jpなど)、IPアドレス(210.123.12.45など)または、allの何れかで行います。ドメイン名または、IPアドレスの指定を行う場合、部分マスク指定が可能です。
「deny from=」ステートメントが存在しない場合、all(全てのクライアントの利用を制限する)が指定されたものと見なします。
利用例deny from=ISMを拒否されるクライアント
全指定の場合all全ての利用者がISMの利用を拒否されます。
ドメイン名指定の場合例(www.xxxx.yy.zzz)ドメイン名www.xxxx.yy.zzzを持つ利用者がISMの利用を拒否されます。
ドメイン名のマスク指定の場合例(*.xxxx.*.zzz)ドメイン名の第二階層にxxxxを持ち、かつ第四階層にzzzを持つ利用者がISMの利用を拒否されます。
IPアドレス指定の場合例(210.123.12.45)IPアドレス210.123.12.45の利用者がISMの利用を拒否されます。
IPアドレスのマスク指定の場合例(210.123.*)210.123.*で始まるIPアドレスの利用者がISMの利用を拒否されます。
・Order=
ISMの利用者制限指定の一部であり、「deny from=」ステートメント(アクセス拒否)と「allow from=」ステートメント(アクセス許可)のどちらを先に評価するかといった評価順序を指定します。例えば「Order=deny,allow」と指定した場合、先に「deny from=」ステートメント(アクセス拒否)を評価したあとで「allow from=」ステートメント(アクセス許可)を評価しますので、ある特定の人にだけISMをプロキシーやWebサーバとして見せたい場合などに有効です。
利用例Order=評価順序
ある特定の人にだけ見せたい場合deny,allow先に「deny from=」ステートメントを評価し、次に「allow from=」ステートメントを評価します。
ある特定の人にだけ見せたくない場合allow,deny先に「allow from=」ステートメントを評価し、次に「deny from=」ステートメントを評価します。
指定が無い場合 (Order=deny,allowと同じです)

1.4.4 サイト複写機能

sitecopy
ISMは、ISMをプロキシーとして利用しているWebブラウザや下位プロキシーがアクセスしたWebページや画像、プログラムなどの情報をローカルのパソコンにファイルとして全て複写して持つ機能があります。ISMでは、この複写されるデータをキャッシュと呼びます。
ローカルにキャッシュするディレクトリの指定は、ISM.INIファイルの「CacheBaseDir=」ステートメントで指定するか、あるいはISMの画面メニューにおいて「ベースディレクトリの変更」によって指定します。
キャッシュは、ディレクトリ構造も含めて行います。この場合、サイトのドメイン名はディレクトリの一つとなります。例えば、キャッシュするディレクトリに「c:\cache」と設定し、Webブラウザから「http://www.kantei.go.jp/index.html」をアクセスした場合、ISMは「c:\cache\www.kantei.go.jp\index.html」というファイルを作成し、「http://www.kantei.go.jp/index.html」と同じものをキャッシュします。同時に、この「index.html」に含まれる画像ファイルなどの情報などもローカルのキャッシュディレクトリにキャッシュします。従って、「index.html」の画像ファイルなどが相対リンク(href="images/tab.jpg"など)で指定されていればローカルにキャッシュした「index.html」をそのままWebブラウザで表示すれば画像ファイルなどの情報もそのまま表示できます。もし、相対リンクではなく絶対リンク(href="http://www.kanteigo.jp/images/tab.jpg"など)で指定されているならば、この「index.html」をWPMのハイパーリンク自動調整機能によって、絶対リンクを自動的にローカルのディレクトリにあるファイルに調整することができますので、ローカルの「index.html」をそのまま直接、Webブラウザで閲覧できるようになります。
ローカルにキャッシュするファイルの種類も指定することができますので、不要なファイルを保存することはありません。また、CGIデータも対象とするか否かについても選択することができます。CGIデータのキャッシュ機能は、ISMの画面上で、実行環境の設定メニューの動作モードの設定で、CGIデータのキャッシュモードを設定したとき有効になります。また、ISM実行開始時に、ISM.INIファイルの「CGICacheMode=」ステートメントに1を指定することで、設定することもできます。

【注1】次の場合は、複写されません。
【注2】サイト複写機能で複写の対象となったサイト名、ディレクトリ名及びデータ名に、次の文字が存在した場合は2バイト文字に変換します。Windowsでは、この文字がある名前のディレクトリやファイルを作成できませんので、ISMは、これらの文字をそれぞれの2バイト文字の名前に変換して複写を行います。

1.4.5 フィルタリング機能

filter
ISMのフィルタリング機能(有害情報排除機能)を有効に設定すると、例えば家庭では子供のために、あるいは会社では従業員のためなどに、インターネット上に散在するアダルト情報、違法な情報、公序良俗に反する情報、暴力・残虐などの情報といった有害なWebページや画像などの情報をWebブラウザから閲覧できないようにすることができます。これらの有害情報については、閲覧レベルを指定することができます。
ISMのフィルタリング機能は、W3CのPICSに準拠しています。従って、PICS準拠である任意のラベルビューロによって提供されるラベルデータに基づいてフィルタリングを行うことができます。
閲覧レベルは如何なる、レイティング基準を採用するかが問題となりますが、ISMは、任意団体である電子ネットワーク協議会が作成したレイティング基準を採用しています。その電子ネットワーク協議会のレイティング基準は、業界標準であるRSACiのスーパーセットとなっているので、ISMでは、RSACiのレイティング基準も使うことができます。

ISMによってPICS準拠のフィルタリング機能を使う場合、次の設定が必要になります。
  1. ラベルビューロの設定
    フィルタリングを何処のラベルビューロのラベルビューロを用いて行うか、ラベルビューロのドメイン名と、ポート番号を指定します。この指定は、ISM.INIファイルの「LBDomainName=」ステートメントと、「LBPortNo=」ステートメントとで行います。また、ISMの画面メニューを使って、指定することもできます。既定値は、電子ネットワーク協議会のラベルビューロ「pics.enc.or.jp」を使うようになっています。
  2. フィルタリングレベルの設定
    ISM管理者がISM利用者からのウェブアクセスのフィルタリングの程度を指定します。次の5項目それぞれについて、0〜5の値を指定します。この場合、値が小さい程、制限が厳しくなります。
    種類\レベル012345
    ヌード全く含まれない露出的な服装部分的なヌード全裸性器の強調閲覧の制限なし
    セックス全く含まれないセクシャルなキス着衣のままの性的接触性行為らしき描写性行為閲覧の制限なし
    暴力全く含まれない争い殺傷殺人残虐閲覧の制限なし
    用語不快感を与えない言葉穏やかな悪口悪口わいせつ表現誹謗中傷閲覧の制限なし
    日本特有全く含まれない要注意公序良俗に反する違法反社会的閲覧の制限なし
    この指定は、ISM.INIファイルの「NudeLevel=」、「SexLeve=」、「ViolenceLevel=」、「LanguageLevel=」、及び「EtcLevel=」の各ステートメントで行います。また、ISMの画面メニューで指定することも可能です。既定値は、5項目ともに、0となっています。
  3. フィルタリング機能の動作方式の設定
    フィルタリング機能を有効にすると、ISMは、ウェブアクセスの要求を検知すると、その要求毎に、レイティング値をチェックし、アクセス要求を通過させるか否か、決定します。 この場合、アクセス要求毎に、ラベルビューロにラベルを取りに行くと、正確なラベル値を得ることができますが、ISM利用者に対するレスポンスが遅くなったり、ラベルビューロがダウンしていた場合、ISM利用者にレスポンスが帰らなくなったりする可能性が考えられます。
    そこで、次の何れかの指定を行います。
    0: 取得済みのデータを使い無い場合ラベルビューロに問い合わせる
    1: 常にラベルビューロに問い合わせてフィルタリングを実施
    2: 取得済みのデータ(キャッシュ)のみでフィルタリングを実施
    この指定は、ISM.INIファイルの「FilteringMethod=」ステートメントで指定します。また、ISMの画面メニューを使って指定することも、できます。既定値は、0 になります。
  4. フィルタリングされるページとフィルタリングされないページ
    ISMのフィルタリングの基本ロジックは、次のようになっています。
    1. ISMを介してアクセス要求のURLをキャプチャします。
    2. キャプチャしたURLのレイティング値をラベルビューロに聞きにいきます。
    3. ラベルビューロは、当該URLがレイティングされていれば、その値を返してきます。また、レイティングされていない場合、ラベルビューロに登録されていないことを、ISMに通知します。
    4. ISMは、ラベルビューロから得られたレイティング値と利用者が設定したフィルタリング閾値とを比較し、レイティング値が閾値より大きい場合(内容がより過激な場合)、アクセス要求をブロックし、それ以外の場合、アクセス要求を通過させます。

ISMのフィルタリングのロジックがこの様になっているため、フィルタリングされるか否かは、ラベルビューロの内容によってきまります。もしも、フィルタリングされるべきページであるのに、フィルタリングされないページを見つけた場合、ラベルビューロにレイティング依頼を行うことをお勧めします。しかし、レイティング依頼を行っても、ラベルビューロ側で、レイティングするのに時間が掛かることがあります、もしも、レイティングされるのを待てない場合、ISMのジャンクメッセージ排除機能を応用することで、応急処置的に、そのページのフィルタリングを行うことができます。

1.4.6 プライバシー保護機能

privacy
ISMのプライバシー保護機能(個人情報漏洩防止機能)を有効に設定すると、例えば家庭では子供が、あるいは会社では従業員が使っているコンピュータや個人の情報といったプライバシー情報を、インターネット上のWebサイトなどへの漏洩することを防止する仕組みがあります。
ISMのプライバシー保護機能では、ISMを通過するアクセス要求に対して、次の処理を行うことができます。
  1. クッキーの除去
    クッキーは、利用者に対する利便性を向上させますが、その反面、利用者の行動を監視したり、個人情報を PC に記録させ、知らない間に他人の情報を勝手に利用してしまうような、プライバシー侵害の原因となる可能性があります。そこで、ISMのクッキー除去機能を設定すると、ISMは、ISMを通過するHTTPアクセスメソッドのヘッダー中のクッキーを全て除去します。従って、ISMのクッキー除去機能を使うと、ブラウザーの設定状態に拘わらず、クッキーを防止することができます。
  2. リファラーの隠蔽
    リファラーを用いることにより、サーバは不正なリンクを防止したり、利用者がどのようなページから入ってくるか、知ることができる反面、利用者から見ると、サーバ側に、行動追跡を可能とさせ、利用者としては、知られたくない行動を知られてしまう、プライバシー侵害の原因となる可能性があります。ISMのリファラーの隠蔽機能を設定すると、ISMは、ISMを通過するHTTPアクセスメソッドのヘッダー中に含まれるリファラー情報を、アクセスするサーバのドメイン名に差し替えます。
  3. PUTメソッドを禁止
    PUTメソッドを用いることにより、サーバは、住所、氏名等の個人情報をPUTメソッドを用いて収集することがあります。この為、ISMのプライバシー保護機能PUTメソッド禁止機能を設定すると、PUTメソッドを用いたウェブアクセスを拒否することができます。
  4. CGIによるデータ渡しを禁止
    CGIは、非常に融通性に富んだ仕組みですので、個人情報をサーバに送る手段として、使われることが多いのです。ISMの「CGIによるデータ渡し禁止」を設定すると、ISMは、CGIパラメータ付きのウェブアクセス要求をブロックします。

プライバシー保護機能を利用する場合の注意:

クッキー除去機能やリファラー隠蔽機能を使うと、クッキーリファラーを厳密にチェックしているサイトの場合、正常にアクセスできない可能性があります。この様なサイトをアクセスする場合は、クッキーの除去機能やリファラーの隠蔽機能を無効にする必要があります。
また、ISMのクッキー除去機能はHTTPアクセスメソッドのヘッダーにのみ作用し、HTMLやJavaでの処理には関与しません、従って、ISMのクッキー除去機能により、全てのクッキー情報が除去されることを意味していません。
「CGIによるデータ渡し禁止」を設定した場合、ISMは、CGIパラメータ付きのウェブアクセス要求を全てブロックします。従って、CGIを用いて実現している掲示板等もアクセスできなくなることがあるので、注意が必要です。

1.4.7 ジャンクメッセージ排除機能

junc
Webページによっては、広告や埋め込みデータ(インベデッドコンテンツ)が、沢山あって、アクセスに非常に時間の掛かるものがあります。この様なWebページをアクセスすることは、お金を払って広告を見ていることに等しいと言えます。また、埋め込みデータを使って、利用者のアクセス行動の追跡を行われる可能性や、悪意プログラムを無意識の内に、ダウンロードしてしまう可能性もあります。
ISMのジャンクメッセージ排除機能は、このような広告や埋め込みデータや特定のタイプのデータを自動除去することにより、通信費用を低減しながら、効率的に、また短時間でのアクセスを可能にします。あるいは、ウイルスプログラムや悪意プログラムから利用者を保護したり、インターネット上の不必要なトラフィックを激減させる効果もあります。
ジャンクメッセージ排除機能は、ISMの画面メニューにおいて、実行環境の設定メニューの動作モードの設定で、不要情報除去モードを設定したとき有効になります。ISMは、不要情報除去モードに設定されると、ISM起動時に指定されたブロックリストファイルの内容に従って、不要情報の除去を行います。

【ブロックリストファイルについて】

ブロックリストファイルとは、ISMのジャンクメッセージ排除機能で、どの情報を除去し、どの情報を除去しないかを定義するファイルです。従って、ISMのジャンクメッセージ排除機能を使わない場合、ブロックリストファイルは必要ありません。
ブロックリストファイルは、ISM.INIファイルの中の「blocklistfile=」ステートメントで定義されます。ISM.INIファイルが存在しないか、ISM.INIファイルの中に「blocklistfile=」ステートメントが無い場合、ISMは、ISMプログラムと同じディレクトリ中のblocklist1.txtファイルをブロックリストファイルと見なします。
ブロックリストファイルからの定義情報の読み込みは、ジャンクメッセージ排除機能が有効に設定された時に行われます。ブロックリストファイルが見つからない場合、ISMはその旨のメッセージを表示した後、ジャンクメッセージ排除機能を無効にします。

【ブロックリストファイルの記述方法】

ISM.INIファイルで使うことのできるステートメントには「ブロックリストファイル制御ステートメント」と「ブロック情報定義ステートメント」の二種類があります。それぞれのステートメントについて以下に説明します。

(A)ブロックリストファイル制御ステートメント
   ブロックリストファイルの読み方を指示するステートメントであり、次のものがあります。
種類指定例説明
インクルードファイルの指定#include <c:/test/blocklist/blocklist.txt> ブロックリストファイルを主ブロックリストファイルとサブブロックリストファイルとに分割することができ、サブブロックリストファイルは、複数指定することができます。#includeステートメントは主ブロックリストファイルにおいてのみ使用し、別のファイルをブロックリストファイルの一部(サブブロックリストファイル)として組み込むことを指示します。ただし、#includeステートメントで指定されたファイルの中で、再び#includeステートメントを使うことは許されません。
コメント行#この行はコメントステートメントです。 #includeステートメント以外の#で始まる行は、コメント行と見なし、ISMは読み飛ばしを行い、何もしません。


(B)ブロック情報定義ステートメント
   ISMのジャンクメッセージ排除機能において、どの情報を除去、あるいは除去しないかを定義するステートメントです。このステートメントには、次の(1)〜(8)の種類があります。
  1. 指定サイトの情報を除去
    [指定例]
    www.xxx.yy.zz www.xxx.yy.zzの名前のサイトの情報を除去
    cy*.*.*.* cyで始まる名前のサイトの情報を除去
    *.*.*.jp 最後が.jpの名前のサイトの情報を除去
  2. 指定ディレクトリの情報を除去
    [指定例]
    /xxx/ /xxx/の名前のディレクトリの情報を除去
    /xxx/yy/zz/ /xxx/yy/zz/の名前のディレクトリの情報を除去
    /*.*/ad/ 第二階層目にadの名前を持つディレクトリの情報を除去
  3. 指定タイプの情報を除去
    [指定例]
    /virus.exe virus.exeの名前をもつ情報を除去
    /*.exe 拡張子が.exeの情報を除去
    /*.gif 拡張子が.gifの情報を除去
  4. 組み合わせ条件(1)〜(3)の情報を除去
    [指定例]
    www.xxx.yy.zz/xxx/ www.xxx.yy.zzの名前のサイト中の/xxx/の名前のディレクトリの情報を除去
    www.xxx.yy.zz/*.*/ad www.xxx.yy.zzの名前のサイト中の第二階層目にadの名前を持つディレクトリの情報を除去
    *.*.*.jp/*.*/ad/*.gif 最後が.jpの名前のサイト中の第二階層目にadの名前を持つディレクトリに存在する拡張子が.gifの情報を除去
  5. 指定サイトの情報を除去しない:(1)の指定形式の先頭に~を付加することで指定します。
    [指定例]
    ~www.xxx.yy.zz www.xxx.yy.zzの名前のサイトの情報を除去しない
    ~cy*.*.*.* cyで始まる名前のサイトの情報を除去しない
    ~*.*.*.jp 最後が.jpの名前のサイトの情報を除去しない
  6. 指定ディレクトリの情報を除去しない:(2)の指定形式の先頭に~を付加することで指定します。
    [指定例]
    ~/xxx/ /xxx/の名前のディレクトリの情報を除去しない
    ~/xxx/yy/zz/ /xxx/yy/zz/の名前のディレクトリの情報を除去しない
    ~/*.*/ad/ 第二階層目にadの名前を持つディレクトリの情報を除去しない
  7. 指定タイプの情報を除去しない:(3)の指定形式の先頭に~を付加することで指定します。
    [指定例]
    ~/virus.exe virus.exeの名前を持つ情報を除去しない
    ~/*.exe 拡張子が.exeの情報を除去しない
    ~/*.gif 拡張子が.gifの情報を除去しない
  8. 組み合わせ条件(5)〜(7)の情報を除去しない:(4)の指定形式の先頭に~を付加することで指定します。
    [指定例]
    ~www.xxx.yy.zz/xxx/ www.xxx.yy.zzの名前のサイト中の/xxx/の名前のディレクトリの情報を除去しない
    ~www.xxx.yy.zz/*.*/ad www.xxx.yy.zzの名前のサイト中の第二階層目にadの名前を持つディレクトリの情報を除去しない
    ~*.*.*.jp/*.*/ad/*.gif 最後が.jpの名前のサイト中の第二階層目にadの名前を持つディレクトリに存在する拡張子が.gifの情報を除去しない

このほか、以下の法則があります。
  • 「除去指定」と「除去しない指定」とが両方用いられている場合、「除去しない指定」が優先します。
  • ISMはブロックリストファイルの#で始まっている行をコメント行と見なし、無視します。

1.4.8 ロギング機能

ISMは、次の3種類のロギングを採ることが可能です。
(1)接続要求ログ
(2)アクセス要求ログ
(3)アクセス拒否(ブロック)ログ
ロギングをファイルとして出力するディレクトリの指定は、ISM.INIファイルの「LogBaseDir=」ステートメントで行います。例えば、ログファイルを出力するディレクトリとして「d:\ismlog」ディレクトリを指定したい場合は「LogBaseDir=d:/ismlog」となります。指定されていない場合は、ISMと同じディレクトリが指定されたもの(ISMのカレントディレクトリ)と見なします。
[例]ログを出力するディレクトリISM.INI内の設定
d:\ismlogLogBaseDir=d:/ismlog

ロギング機能を有効にする方法と設定は、ISM.INIファイルの「LoggingMode=」ステートメントと「LogFileCreationMode=」ステートメントを使います。以下に従ってください。なお「LoggingMode=」ステートメントの規定値は15です。
LoggingMode=有効となるログ説明
接続要求ログアクセス要求ログアクセス拒否(ブロック)ログ
0   (ISMはログを取りません)
1  ISMのアクセス拒否(ブロック)ログ機能が、有効となります
2  ISMのアクセス要求ログ機能が、有効となります。
3 ISMのアクセス拒否(ブロック)ログ機能とアクセス要求ログ機能が、有効となります。
4  ISMの接続要求ログ機能が、有効となります。
5 ISMの接続要求ログ機能とアクセス拒否(ブロック)ログ機能が、有効となります。
6 ISMの接続要求ログ機能とアクセス要求ログ機能が、有効となります。
7ISMの接続要求ログ機能とアクセス要求ログ機能とアクセス拒否(ブロック)ログ機能が、有効となります。
15(7を指定した場合と同じです)
「LogFileCreationMode=」ステートメントでは、上記の3種類のログを単一のファイルに書き込むか(指定値が0の場合)、それぞれ別個のファイルに書き込むか(指定値が1の場合)、指定できます。「LogFileCreationMode=」ステートメントに0が指定された場合、以下の3種類のログを単一のファイルに書き込みますが、その場合のログファイル名は「ISMlog.年.月.日.txt」になります。また、「LogDataPrecision=」ステートメントによって、アクセス要求ログの情報の詳細さを指定できます。
この指定は、LoggingMode=ステートメントに1が指定されている時のみ意味をもちます。

(1)接続要求ログ(connectlog.年.月.日.txt)
ログファイル名は「connectlog.年.月.日.txt」になります。ログの内容は以下の項目になります。
  • 接続要求を受け付けた時刻
  • 接続要求を出したコンピュータのドメイン名
  • 接続要求を出したコンピュータのIPアドレス
  • 接続要求を出したコンピュータのポート番号
[例]
8時37分41秒 DN=localhost,IP adress=127.0.0.1,Port=1026
(2)アクセス要求ログ(accesslog.年.月.日.txt)
ログファイル名は「accesslog.年.月.日.txt」になります。ログの内容は「LogDataPrecision=」ステートメントの指定により異なります。
「LogDataPrecision=」ステートメントに0が指定された場合、ログの内容は以下の項目になります。
  • アクセス要求を受け付けた時刻
  • アクセスメソッド情報
[例]「LogDataPrecision=」ステートメントに0が指定された場合
0時35分59秒 GET http://www.goo.ne.jp/
「LogDataPrecision=」ステートメントに1が指定された場合、ログの内容は以下の項目になります。
  • アクセス要求を受け付けた時刻
  • アクセスメソッド情報
  • アクセス要求のHTTPヘッダー情報
[例]「LogDataPrecision=」ステートメントに1が指定された場合
8時37分41秒 GET http://keyword.jp.netscape.com/keyword/localhost HTTP/1.0
Proxy-Connection: Keep-Alive
User-Agent: Mozilla/4.51 [ja] (Win95; I)
Host: keyword.jp.netscape.com
Accept: image/gif, image/x-xbitmap, image/jpeg, image/pjpeg, image/png, */*
Accept-Encoding: gzip
Accept-Language: ja
Accept-Charset: Shift_JIS,*,utf-8
(3)アクセス拒否/ブロックログ(blocklog.年.月.日.txt)
ISMは、フィルタリング機能プライバシー保護機能及びジャンクメッセージ排除機能によって、アクセス要求を拒否することがあります。アクセス拒否(ブロック)ログは、これらの機能によって拒否されたアクセス要求を記録します。
ログファイル名は「blocklog.年.月.日.txt」になります。ログの内容は以下の項目になります。
  • アクセス拒否した時刻
  • アクセス拒否したアクセスメソッド情報
  • アクセス拒否した機能種別
[例]
17時45分39秒 Host=www.akumakun.com,Data=www.abcd.com/back.gif was blocked(junk)

1.4.9 マルチスレッド機能

ISMは、マルチスレッドで多重動作します。ISMを実行するコンピュータのリソースの状況に従って、最大スレッド数を1〜64の範囲で指定できます。
一般に、スレッド数が多いとパフォーマンスが良くなりますが、リソースの状態によっては性能低下やシステム停止を来たす可能性があります。

1.5 ISMの設定


1.5.1 画面メニューからの設定

ISM(InternetSmartManager.exe)をダブルクリックなどで起動すると、WindowsのタスクバーにISMのアイコンが表示されます。このタスクバーのアイコンをクリックすると、ISMの画面が表示されます。ISMの画面メニューで指定可能な機能は以下のとおりです。

ISMの画面メニュー

ISMの画面メニューで指定可能な機能は、以下の通りです。より詳細な設定を行う場合は、ISM.INIの設定も参照してください。

・「終了指示」
終了指示項目で終了を指示することで、ISMを終了させることができます。終了を指示すると、終了確認のメッセージが表示され、そのメッセージに「はい」を応答するとISMが終了します。それに対し、「いいえ」を応答すると、終了指示を取り消すことができます。
・「プロキシー設定」
ISMの上位に他のプロキシーサーバが存在するか否か指定します。既定値は「プロキシーなし」となっています。詳しくは、プロキシー機能も参照してください。
(1)プロキシーなし
直接インターネットに接続している場合、ISMの設定では「プロキシーなし」を選択します。
(2)プロキシーあり
プロキシーサーバ経由でインターネットに接続されている場合、ISMの設定では「プロキシーあり」を選択し、更に、次の2つ情報を設定します。
  • 上位プロキシーサーバのアドレス
  • 上位プロキシーサーバのポート番号
・「実行環境の設定」
ISMの基本実行環境の設定を行うことができます。この項目で設定できるものには、次のものがあります。
(1)キャッシュベースディレクトリの変更
サイト複写モードで作成するキャシュデータの格納先ディレクトリを指定します。キャシュベースディレクトリの規定値は、c:/cache です。ISMを使う場合、キャッシュベースディレクトリの指定は必須の項目です。サイト複写機能も参照してください。
(2)最大同時処理数の変更
ISMを実行するコンピュータのリソースの状況に従って、最大スレッド数を1〜64の範囲で指定できます。 一般に、スレッド数が多いと、ISMのパフォーマンスが良くなりますが、リソースの状態によっては、性能低下やシステム停止を来たす可能性があります。
最大同時処理数の規定値は64 です。マルチスレッド機能も参照してください。
(3)動作モードの設定
ISMを次のどのモードで実行するかチェックボックスで指定します。なお、現在のISMのバージョンではサイト複写モードをオフにすることはできません。サイト複写機能フィルタリング機能ジャンクメッセージ排除機能プライバシー保護機能も参照してください。
・「フィルタリング詳細設定」
フィルタリング機能の実行条件を設定します。次の2つの設定を行うことができます。フィルタリング機能も参照してください。
(1)フィルタリングレベルの設定
ISM管理者がISM利用者からのウェブアクセスのフィルタリングの程度をスライドバーで指定します。 次の5項目それぞれについて、0〜5の値を指定します。この場合、値が小さい程、制限が厳しくなります。フィルタリング機能も参照してください。
  • ヌード
  • セックス
  • 暴力
  • 用語
  • 日本特有
また、ISMがフィルタリングを行う時に必要とする各URLのラベル情報を、どのようにラベルビューロから入手するかを次の3方式の内から1つ選択します。規定値は、方式0となっています。
・方式0. 取得済みのデータを使い無い場合ラベルビューロに問い合わせる
この方式は、方式1と方式2との中間の方式です。この方式の場合、ISMは、アクセス要求を検知したとき、当該URLのラベル情報を既に保有しているならば、その情報に基づいてフィルタリングを行い、保有している情報が無いならば、ラベルビューロに、ラベル情報取得要求を行い、取得したラベル情報に基づいてフィルタリングを行います。従って、この方式を用いると、ISMの保有しているラベル情報が古いと誤ったフィルタリングが行われる可能性があります。
・方式1. 常にラベルビューロに問い合わせてフィルタリングを実施
常に最新のラベル情報に基づいて、フィルタリングを行うことが可能となりますが、ISMを通過するアクセス要求毎にラベルビューロに、ISMからアクセス要求が新たに発生するので、利用者に対する見かけ上の応答が遅くなることがあります。
・方式2. 取得済みのデータ(キャッシュ)のみでフィルタリングを実施
ISMが保有しているラベル情報のみを用いて、フィルタリングを行う方式です。 この方式の場合、ラベルビューロへのアクセスが発生しないので、利用者のアクセス要求に対する応答が遅くなることはありません。しかし、ISMが保有しているラベル情報が少ないと、効果的なフィルタリングがされない恐れがあります。

(2)ラベルビューロの変更
ISMは、フィルタリングをラベルビューロから得られたラベル情報に基づいて、行いますがここでは、そのラベルビューロを指定することができます。ラベルビューロの指定は、次の2つ情報で行います。フィルタリング機能も参照してください。
・ラベルビューロのアドレス
ドメイン名もしくは、IPアドレスでラベルビューロを指定します。既定値は、電子ネットワーク協議会のラベルビューロである「pics.enc.or.jp」となっています。
・ラベルビューロのポート番号
ラベルビューロのポート番号を数字で指定します。既定値は、電子ネットワーク協議会のラベルビューロのポート番号である「80」となっています。
・「プライバシー保護詳細設定」
ISMがプライバシー保護モードで動く場合、何を行うかを設定します。次の4機能のどれを行うかチェックボックスで指定します。プライバシー保護機能も参照してください。
・「プログラム情報」
ISMに関する次の情報を表示します。
  • バージョン情報
  • コピーライト情報
・「ヘルプ」
ISMのヘルプです。

1.5.1 ISM.INIの設定

ISM.INIファイルは、ISMの実行環境を定義するファイルです。ISMを動作させるためには、画面メニューからの設定に加え、ISMプログラム(InternetSmartManager.exe)と同じディレクトリに存在する「ISM.INI」ファイルをエディタなどで直接編集する方法があります。画面のメニューからではなく、このISM.INIを直接編集する場合は、必ずプログラムを終了させたあと設定の変更を行い、プログラムを起動してください。設定は以下を参考にしてください。

注意:

ISM.INIファイルで使うことのできるステートメントと指定値と意味は、以下の通りです。

[InternetSmartManager]
ISMの設定ファイルであることを示すコメントです。変更することはできません。
ISM_PORT_NO=
ISMのポート番号を指定します。この値は、Webブラウザの上位に位置するISMのポート番号ですので、Webブラウザにおいて設定するプロキシーのHTTPのポート番号と同じになります。規定値は「7000」ですが、WARが7000を使用しますので、WARを使用する場合は値を変更しないでください。設定を変更する場合は、他のアプリケーションのポート番号と重複しないよう、5000〜9999の数字で指定してください。
MaxThread=
ISMからインターネット(あるいは上位プロキシー)にアクセスするためのスレッドを起動する数の指定です。規定値は「64」です。数値の範囲は1〜64です。
詳しくは、マルチスレッド機能を参照してください。
ProxySwitch=
上位プロキシーを使用するか否かを指定します。上位プロキシーを使用する場合は「1」を指定します。規定値は「0」です。この「ProxySwitch=」ステートメントが「0」(上位プロキシーを使用しない)の場合、「ProxyDomainName=」ステートメントと「ProxyServerPortNo=」ステートメントとの指定値は意味を持ちません。
ProxyDomainName=
上位プロキシーがある場合、そのプロキシーサーバをドメイン名または、IPアドレスで指定します。規定値はありません。なお、「ProxyDomainName=」ステートメントの設定を行った場合は「ProxySwitch=」ステートメントを「1」にすること、「ProxyServerPortNo=」ステートメントでのポート番号の指定も忘れないでください。
詳しくは、プロキシー機能を参照してください。
ProxyServerPortNo=
上位プロキシーのポート番号を数字で指定します。規定値は「8080」です。なお、「ProxyServerPortNo=」ステートメントの設定を行った場合は「ProxySwitch=」ステートメントを「1」にすること、「ProxyDomainName=」ステートメントでのドメイン名の指定も忘れないでください。
詳しくは、プロキシー機能を参照してください。
LBDomainName=
フィルタリング機能でフィルタリングするためのラベル情報が収集されているW3CのPICSに準拠したラベルビューロのドメイン名または、IPアドレスを指定します。既定値は、電子ネットワーク協議会のラベルビューロのドメイン名である「pics.enc.or.jp」です。これ以外のラベルビューロを指定する場合は、必ず、電子ネットワーク協議会のラベルビューロと互換性のあるW3CのPICSに準拠したものを指定して下さい。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
LBPortNo=
フィルタリング機能でフィルタリングするためのラベル情報が収集されているW3CのPICSに準拠したラベルビューロのポート番号を数字で指定します。既定値は、電子ネットワーク協議会のラベルビューロのポート番号である「80」になっています。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
CacheBaseDir=
ISMのサイト複写機能により、WebブラウザやWARがISMを介してアクセスしたファイル(HTMLファイル、画像ファイルなど)を保存するキャッシュディレクトリを指定します。規定値は「c:/cache」です。ISM開始時にこのディレクトリが存在しない場合、ISMはそのディレクトリを作成することを試みます。もし、作成できれば画面上にディレクトリを作成した旨のメッセージを表示しますが、ディレクトリが作成できない場合は、警告メッセージを表示して終了しますので、この場合は、ISM.INIのこの「CacheBaseDir=」ステートメントに適切なディレクトリを設定してください。
詳しくは、サイト複写機能を参照してください。
SiteCopyMode=
WebブラウザやWARがISMを介してアクセスしたファイル(HTMLファイル、画像ファイルなど)をキャッシュディレクトリに保存するかどうかというサイト複写機能の指定を行います。規定値である「1」はサイト複写機能を使う指定(キャッシュを取得する)ですが、「0」にすることはできません。常にサイト複写機能が働きます。
詳しくは、サイト複写機能を参照してください。
FilterSW=
フィルタリング機能の指定を行い、有害情報をフィルタリングするか否かを指定します。フィルタリングする場合は「1」を指定します。規定値は「0」です。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
JunkSW=
ジャンクメッセージ排除機能の指定を行い、ジャンクメッセージを排除するか否かを指定します。排除する場合は「1」を指定します。排除する時のブロックリストは「blocklistfile=」ステートメントで指定されたファイルに記述されます。ウェブページによっては、広告や、アクセス統計用のインベデッドコンテンツなどがたくさん含まれている為、アクセスに、非常に時間の掛かるものがありますが、この様なウェブページであっても、広告等のジャンクメッセージを排除できるので、効率的に、素早くアクセスできます。企業内でISMのこの機能を用いれば、不必要なトラフィックを削減できます。または、フィルタリングしたいWebページがあるがレイティングされていないためにフィルタリングできない場合、本指定を「1」にし、ブロックリストにフィルタリングしたいWebページのURLをプロックリストとして指定することにより、暫定的に回避することもできます。規定値は「0」です。
詳しくは、ジャンクメッセージ排除機能を参照してください。
blocklistfile=
ジャンクメッセージ排除機能で用いるブロックリストファイルを指定します。「JunkSW=」ステートメントに「1」を指定した場合、または、ISM実行中にジャンクメッセージ排除機能を有効にする場合、このブロックリストファイルの指定は必須となります。ブロックリストファイルは、テキストデータファイルでなければなりません。ブロックリストファイルの指定が間違っている場合、ジャンクメッセージ排除機能は、無意味になります。規定値は「blocklist.txt」です。
ブロックリストファイルの指定方法を含む更に詳しい情報は、ジャンクメッセージ排除機能を参照してください。
PrivacySW=
プライバシー保護機能(個人情報漏洩防止機能)の指定を行い、プライバシー情報の流出が懸念されるようなデータを排除するかを指定します。プライバシー情報の流出を防止するには「1」を指定します。例えば、インターネットにアクセスする際、プライバシー情報と位置付けてデータの隠蔽などを行う対象は、クッキーリファラー、Pragma、POST/PUTメソッドCGIです。規定値は「0」です。
詳しくは、プライバシー保護機能を参照してください。
CookieCut=
インターネットにアクセスする際、クッキーを排除するときには「1」を指定します。規定値は「1」です。この設定は、プライバシー保護機能を有効にする「PrivacySW=」ステートメントが「1」の場合のみ、意味を持ちます。
詳しくは、プライバシー保護機能を参照してください。
RefererOff=
インターネットにアクセスする際、リファラーを排除するときには「1」を指定します。規定値は「1」です。この設定は、プライバシー保護機能を有効にする「PrivacySW=」ステートメントが「1」の場合のみ、意味を持ちます。
詳しくは、プライバシー保護機能を参照してください。
PragmaCut=
インターネットにアクセスする際、プライバシー保護機能で、Pragma情報の除去を行うときには「1」を指定します。規定値は「1」です。この設定は、プライバシー保護機能を有効にする「PrivacySW=」ステートメントが「1」の場合のみ、意味を持ちます。
詳しくは、プライバシー保護機能を参照してください。
PutProhibit=
インターネットにアクセスする際、POST/PUTメソッドを禁止するときには「1」を指定します。規定値は「0」です。この設定は、プライバシー保護機能を有効にする「PrivacySW=」ステートメントが「1」の場合のみ、意味を持ちます。
詳しくは、プライバシー保護機能を参照してください。
CgiProhibit=
インターネットにアクセスする際、CGIによるデータ受け渡しを排除するときには「1」を指定します。規定値は「0」です。この設定は、プライバシー保護機能を有効にする「PrivacySW=」ステートメントが「1」の場合のみ、意味を持ちます。
詳しくは、プライバシー保護機能を参照してください。
CGICacheMode=
サイト複写機能において、WebブラウザやWARがISMを介してアクセスしたファイルがCGIであった場合にこれをキャッシュするか否かを指定します。ISMは、クライアントからの要求URLの中に「?」がある場合、それによってサーバから送られてくるデータをCGIデータと見なします。CGIまでキャッシュする場合は「1」を指定します。 規定値は「1」です。
詳しくは、サイト複写機能を参照してください。
HTTPServerSW=
ISMのHTTPサーバ機能で用い、WebブラウザのURL入力においてlocalhostを指定するとISMがWebサーバのような動きになり、キャッシュしたファイルを閲覧することができるようになります。この機能を使用する場合は、HTTPServerSW=に「1」を設定します。規定値は「1」です。HTTPサーバ機能を有効にする場合、「HttpHomeDir=」ステートメントでのディレクトリ指定が必須となります。
詳しくは、HTTPサーバ機能を参照してください。
HttpHomeDir=
ISMのHTTPサーバ機能で用いるWebページ情報の格納されている場所をディレクトリ名で指定します。この設定は「HTTPServerSW=」ステートメントに「1」が指定されている場合、有効となります。既定値は、ISMのサイト複写機能の指定である「CacheBaseDir=」ステートメントと同じく、c:/cacheとなっています。
詳しくは、HTTPサーバ機能を参照してください。
allow from=
ISMの利用者制限機能の一部であり、ISMをプロキシーやWebサーバとして利用できるクライアントを指定します。
指定は以下の何れかで行います。詳しくは、クライアント利用制限機能を参照してください。
  • ドメイン名(ismuser.ismart_example.co.jpなど)
  • IPアドレス(210.123.12.45など)
  • all(全てのクライアント)
deny from=
ISMの利用者制限機能の一部であり、ISMをプロキシーやWebサーバとして利用できないクライアントを指定します。
指定は以下の何れかで行います。詳しくは、クライアント利用制限機能を参照してください。
  • ドメイン名(ismuser.ismart_example.co.jpなど)
  • IPアドレス(210.123.12.45など)
  • all(全てのクライアント)
Order=
ISMの利用者制限指定の一部であり、「deny from=」ステートメント(アクセス拒否)と「allow from=」ステートメント(アクセス許可)のどちらを先に評価するかといった評価順序を指定します。
指定は以下の何れかで行います。詳しくは、クライアント利用制限機能を参照してください。
  • deny,allow
  • allow,deny
NudeLevel=
フィルタリングするときのヌードに関する閲覧レベルの設定を0〜5の範囲の数字で指定します。規定値は「0」です。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
SexLevel=
フィルタリングするときのセックスに関する閲覧レベルの設定を0〜5の範囲の数字で指定します。規定値は「0」です。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
ViolenceLevel=
フィルタリングするときの暴力に関する閲覧レベルの設定を0〜5の範囲の数字で指定します。規定値は「0」です。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
LanguageLevel=
フィルタリングするときの用語に関する閲覧レベルの設定を0〜5の範囲の数字で指定します。規定値は「0」です。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
EtcLevel=
フィルタリングするときの日本語特有の情報に関する閲覧レベルの設定を0〜5の範囲の数字で指定します。規定値は「0」です。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
FilteringMethod=
フィルタリング機能の動作方式を0〜2の範囲の数字で指定します。規定値は「0」です。
詳しくは、フィルタリング機能を参照してください。
LoggingMode=
ISMのロギング機能を有効にするか否かと、採取するログの種類とを指定します。ロギング機能を有効にする場合は「1」を指定します。「0」を指定した場合、ISMはログを取りません。規定値は「1」です。
詳しくは、ロギング機能を参照してください。
LogFileCreationMode=
ロギング機能「LoggingMode=」ステートメントが有効な時、ログ情報を種類別に、異なるファイルに出力するか、単一のファイルの中に出力するか、指定します。この指定は「LoggingMode=」ステートメントに「1」が、指定されている時のみ、意味をもちます。「0」を指定した場合、全てのログ情報を単一のファイルの中に出力します。この場合のログファイル名は「ISMlog.年.月.日.txt」になります。「1」を指定した場合、以下のようにログ種類別に異なるファイルに出力します。
  • 接続要求ログのログファイル名は「connectlog.年.月.日.txt」です。
  • アクセス要求ログのログファイル名は「accesslog.年.月.日.txt」です。
  • アクセス拒否(ブロック)ログのログファイル名は「blocklog.年.月.日.txt」です。
既定値は「0」です。
詳しくはロギング機能を参照してください。
LogDataPrecision=
ロギング機能「LoggingMode=」ステートメントが有効な時、取られるアクセス要求ログの詳細さを「0」か「1」で指定します。既定値は「0」です。
詳しくはロギング機能を参照してください。
LogBaseDir=
ISMのログファイルを出力する場所をディレクトリ名で指定します。指定されていない場合は、ISMと同じディレクトリが指定されたもの(ISMのカレントディレクトリ)と見なします。規定値は「c:/log」です。例えば、ログファイルを出力するディレクトリとして「d:\ismlog」ディレクトリを指定したい場合は「LogBaseDir=d:/ismlog」となります。
詳しくはロギング機能を参照してください。

1.6 ISMのFAQ

キャッシュディレクトリ(...)が見つかりません。
ISM.INIファイルの「CacheBaseDir」の設定を正しく設定してください。この設定は、インターネットにアクセスした情報をISMがファイルとして保存するローカルのディレクトリ場所を指定します。例えば c:\ism\cache を指定する場合は「CacheBaseDir=c:/ism/cache」または「CacheBaseDir=c:\ism\cache」となります。ISM.INIファイルについてはISM.INIの設定を参照してください。
Webブラウザでアクセスしてもキャッシュが取れない。またはページが見えない。
Webブラウザのプロキシー設定をISMをインストールしたり、設定したりする前の状態に戻してもページが見えない場合は、そのページは存在しないと思われます。元の状態に戻すとページが見える場合は、WebブラウザやISMのプロキシーが正しく設定されていない可能性がありますので、以下を参照してください。
  • Webブラウザのキャッシュが効いている場合。この場合は、ブラウザの再読み込みボタン(リロード)を押してください。それでもキャッシュが取れない場合は、Shiftキーを押しながら再読み込みボタン(Netscapeの場合)、あるいは、Ctrlキーを押しながら再読み込みボタン(Internet Explorerの場合)などを行ってみてください。
  • Webブラウザのプロキシー設定が正しくISMに設定されていない場合。この場合は、WebブラウザがNetscapeの場合は[編集]→[設定]→[詳細]→[プロキシー]→[手動でプロキシーを設定する]→[表示]において、"HTTP"の「使用するプロキシーサーバのアドレス」に"localhost"を、「ポート」番号にはISMの画面に表示されたスマートマネージャのポート番号(ISM.INIの「ISM_PORT_NO=」ステートメントで設定した数値;規定値は"7000")を指定してください。
    WebブラウザがInternetExplorerの場合は[表示]→[インターネットオプション]→[接続]→[プロキシーサーバを使用してインターネットにアクセス]のチェックボックスを有効にし、[詳細]を選ぶと設定画面が表示されます。

    注意:既に何らかの値が設定されている場合は、上位にプロキシーが存在しますので、localhostや"7000"を入力する前に、元の設定されている値(アドレスとポート番号)を必ず控えてください。この値をISM側に上位プロキシーとして設定する必要があります(上位プロキシーの設定については下記)。
    なお、HTTP以外のSecure,FTPなどの設定は変更する必要はありません。また、[次で始まるアドレスにはプロキシーを使用しない]に"localhost"や"127.0.0.1"が設定されている場合は削除してください。
  • ISMの上位プロキシーが正しく設定されていない場合。この場合は、ISMの[プロキシー設定]→[プロキシーあり]で表示される画面のHTTPプロキシーサーバのアドレスとポート番号を上位プロキシーに設定してください。この値はWebブラウザのプロキシー設定で元々設定されていたプロキシーサーバのアドレスとポート番号です。前項目の"注意"にて控えた値のことです。
セキュリティ通信(SSL)をサポートしたサイトにアクセスできない。
Webブラウザのプロキシー設定をISMをインストールしたり、設定したりする前の状態に戻してもページが見えない場合は、そのページは存在しないと思われます。あるいは、元の状態に戻すとページが見える場合は、Webブラウザのプロキシー設定が間違っている可能性があります。ISMはHTTPプロトコルのみサポートしていますので、WebブラウザがNetscapeの場合は[編集]→[設定]→[詳細]→[プロキシー]→[手動でプロキシーを設定する]→[表示]において、"Secure"の「使用するプロキシーサーバのアドレス」と「ポート」番号はISM("localhost"、"7000")ではなく、上位プロキシーのアドレスを設定するか、または上位プロキシーがない場合は空白にしてください。
WebブラウザがInternetExplorerの場合は[表示]→[インターネットオプション]→[接続]→[プロキシーサーバを使用してインターネットにアクセス]のチェックボックスを有効にし、[詳細]を選ぶと設定画面が表示されます。
HTTP以外のプロトコルを個別に設定することができないようなWebブラウザやアプリケーションについては、SSLサイトをアクセスするときはISMを経由しないでください。
セキュリティ通信(SSL)をサポートしたサイトのキャッシュが取れない。
SSLはインターネット上の通信をWebブラウザとサーバとの間が暗号化されています。プロキシーはWebブラウザとサーバとの間にありますので、SSLで通信されるデータをプロキシーで解読することはできませんが、同様にプロキシーとして動作しているISMにおいても、やはりデータが暗号化されているためキャッシュが取れません。従ってWebブラウザの設定においてはSSLの場合はISMを介さずに、インターネットに直接、あるいは上位プロキシーがある場合はそちらを設定してください。設定方法は「セキュリティ通信(SSL)をサポートしたサイトにアクセスできない。」を参照してください。
リンクを自動調整しても正しくリンクできません。
リンクする全てのファイルをWebサイトからキャッシュしていないか、自動調整するファイルのチェックボックスを付けずに自動調整したことなどが考えられます。WARやWebブラウザからISMを介して必要なファイルを全てキャッシュするか、自動調整するファイルには全てチェックしてください。あるいは、全てのファイルをキャッシュしていて、WPMが自動調整したにも関わらず、ローカルのファイルをWebブラウザで表示させてリンクできないような場合は、以下のようなケースが考えられます。現バージョンのWPMではこれらのリンクについて自動調整することをサポートしておりません。
  • CGIなどのプログラムを実行するようなリンクの場合
  • JavaScriptなどの組み込みプログラムを実行するリンクの場合
  • ヘッダにBASEリファレンスし、相対リンクがあるHTMLの場合
  • あるディレクトリの中で、ファイル名とディレクトリ名が同一だった場合
HTMLソースを表示させると文字化けする。
HTMLソースの文字コードとWindowsの2バイト系(漢字)の文字コードが一致していないためです。例えばUNIXのWebサーバにおいてHTMLファイルにEUCコードが使われている場合、ISMがキャッシュしたファイルはEUCになったままですが、WindowsはShift-JISコードですので2バイト系の漢字が文字化けします。但し、WPMにおけるハイパーリンクの自動調整機能は1バイト文字の<a href〜>タグを認識しますので、文字コードが異なっても自動調整機能には問題ありません。また、Webブラウザは文字コードを変換して表示する機能を持っていますので、WPMで自動調整したファイル自体が文字化けしていても、正常に表示されます。もし、Webブラウザにおいても文字化けするようでしたら、Webブラウザの表示文字コードを変更してください。
一つもチェックがありません。
複写や自動調整などの処理の指示があったにも関わらず、その処理対象となるファイルが選択されていません。「ディレクトリの階層表示」ビューから、処理対象とするファイルの左にあるチェックボックス(□)をマウスでクリックして選択してください。

付録


付録A. 用語集

・ISM
インターネットスマートマネージャ(InternetSmartManager.exe)のこと。
・WAR
Webアクセスロボット(WebAccessRobot.exe)のこと。
・WPM
Webプレゼンテーションメーカー(WebPresentationMaker.exe)のこと。
クッキー
クッキーは、Netscape Communications社が、開発した技術で、利用者のコンピュータ上に情報の小片を置いておき、ウェブにアクセスするときそれを、サーバ側が、認識することで、例えば、訪問履歴等を知り、利用者に対する木目細かなサービスを実現すること を狙いとするものです。
リファラー
HTTPアクセスメソッドのヘッダーに含まれるリファラーは、あるWebページをアクセスしたとき、直前にどのWebページを見ていたかをサーバに知らせるために使われています。
PUTメソッド
PUTメソッドは、HTTPアクセスメソッドの一種で、利用者のコンピュータからサーバに、データを渡す為の手段の一つです。PUTメソッドを用いることにより、利用者が、サーバに色々な要求を行ったり、サーバが、利用者から情報を収集したりすることが可能となります。サーバは、住所、氏名等の個人情報をPOSTメソッドやPUTメソッドを用いて収集することがあります。この為、ISMのプライバシー保護機能の「POSTメソッドとPUTメソッドとの禁止機能」を設定すると、POSTメソッドとPUTメソッドとを用いたウェブアクセスを拒否することができます。
CGI
CGIとは「Common Gateway Interface」の略で、Webサーバでプログラムを実行させて、その結果を表示させる 仕組みのことです。CGIを用いることにより、ブラウザの表示画面のフォーム形式などから入力した情報を、ウェブサーバーに送り出し、掲示板やアクセスカウンターや訪問者リストなどを作ることができます。
SSL
SSLとは「Secure Socket Layer」の略で、WebブラウザとWebサーバ間で安全な通信を行なうためにWebサーバとWebブラウザの間の通信を暗号化するものです。インターネット上でプライバシー情報やキャッシュカードのデータなどに関する情報を安全に通信するために考案されたものです。
























































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